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「樋口円!俺の友達。」
恭耶は私をその女の子に紹介した。
「もしかして~このワンちゃんを助けた子?」
恭耶に確認している。
頷く恭耶。
「あ~あなたがそうなんだ~ふ~ん…」
円はその場から逃げ出したかった。
そう…恭耶の口から隣の女の子を紹介されるのが怖かった。
「私を紹介してよ!」
突然隣りの女の子が恭耶を急かした。
恭耶はめんどくさそうにため息をついた。
「これ、結衣、俺の」
そこまで言いかけた恭耶の言葉を遮り、
「彼女で~す!」
恭耶の腕に自分の腕を絡めながら言った。
円はもはや笑顔を保てなくなる寸前だった。
「なっ馬鹿野郎!何言ってんだよ!」
顔を赤くして恭耶が慌てていた。
「私、帰るね。」
円は逃げるようにその場を走り去った。
疾風を抱きしめながら。
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