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「じゃあ、はいっ!」
少年は仔犬を円に渡した。
仔犬は円の顔を舐めた。
「くすぐったいよ!こら~」
私は命の重さと温もりを抱きしめた。
「可愛がってもらえよ!」
少年は仔犬の頭を撫でた。
「たっ助けてくれてありがとう。」
円は御礼を言った。
「二人で助けたんだよ!じゃあな!」
少年は片手をあげて走って行ってしまった。
「あっ………」
名前も聞かないまま別れてしまった。
円は仔犬を抱いたまま、少年が見えなくなるまで見詰めていた。
「帰ろうか…」
円は仔犬を抱いて自宅へ帰って行った。
「名前つけなくちゃね。」
少年の笑顔が焼き付いて頭から離れなかったが、仔犬の存在に助けられ、その思いは薄れて行った。
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