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ここで、人間の意志が存在しない世界を想像してみましょう。
そこでは世界が「枝分かれる」可能性が無いため、世界は収束を行いません。
1つの決定された世界が「1次元方向」に進み続けるだけです。
これは、「物語」の状態です。
物語の中の世界は、様々な登場人物の意志によって作られているように見えますが、そうではありません。
物語の中の登場人物は、意志を持ちません。
意志に見えるそれは、別人によって「作られた意志」なのです。
その偽の意志の「創造主」、それが「作者」です。
物語は、意志の交錯により作り出される世界ではありません。
作者という、1人の人間の意志からのみ、作り出された世界です。
そこに作者以外の意志が「介入」することはありません。
つまり、意志の交錯が起こらないのです。
すると、世界は収束を行いません。
それはもはや、世界とは言えません。
また、一度(ひとたび)作者が「外」へ出ると、そこにはさっきまで自分が創造していた世界とは違い、自分の思い通りにならない世界が存在しているのです。
そこが、世界です。
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