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すると、レナンがビクッと肩を揺らしたかと思うと、「フォアン」と呟いた。
手の甲の模様が紫色の光を発して浮かび上がった。
『レナン、聞こえるか?俺だ』
「マスター?どうしたんですか?」
『今、暇か?』
「え?あー…」
言葉を濁し、ラクトの方を見る。
「この後予定は?」
「ない」
「じゃあ、暇ってことでいいんじゃないか?」
『お?ラクトもいるのか?』
「あ、はい」
『じゃあ、二人でちょっとギルドの方へ来てくれよ』
「俺もですか?」
『暇だろ?たまには顔出せ」
笑いながら、バラウは待ってるぞ、と言うと、プツリと通信が切れた。
「えーっと、じゃあ行こうか」
「うん…」
何となく、先程の会話にはもう戻れない気がして、二人はそのまま口を開かずギルドへと向かった。
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