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「ラクトを見に来ただけか?お前はラクトの敵なんだろ?」
「……そうだ。俺はラクト・ディファルテの敵。見に来た。……お前の、実力を」
「!?」
急に動き出したシュキは、いつの間にか両手に持っていた短剣で、ラクトを右から左からと切りつける。
その素早さに驚きながらも、ラクトはどうにかそれらをかわしていた。
ラクトのスピードは、学園にいた頃でもトップになる程だった。
【漆黒の先駆者】と呼ばれるようになり、スピードでは、国の三本指に入るくらいにはなっているはずだ。
そのラクトのスピードに、奴はついて来ているどころか、ほぼ同等である。
「速い。俺と同じ?」
自分の攻撃をことごとくかわすラクトに、シュキは独り言のように呟きながらも、手を休める気配はない。
ラクトが思いっきり剣をシュキに振ると、短剣で防いだシュキではあるが、2m程後ろに、ラクトの剣の威力で飛んだ。
ラクトからシュキが離れたのを見計らって、バラウが魔法を放つ。
「"サンディガン"!」
バチバチと音を響かせ、雷の帯がシュキを狙う。
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