安楽の世界へ導きます

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(2008年10月下旬) 職場についたくろ。 課長がため息をついているのを目にした。 「円高で海外旅行いくには最適だってのに、客数がのびん。」 くろは笑いながら言った 「でも銀行にはドルを買う人が殺到してるそうですよ。」 課長は顔をしかめた 「そりゃあ、海外旅行いくためじゃなくて、また1ドル110円くらいになったら売って差額分を儲けるために買ってるだけだ」 くろはゲラゲラ笑っていた 「私も90円ちょいのとき1500ドルほど買わせていただきました。箪笥の中に眠ってます。大統領選挙が終わればすぐに110円くらいにもどるでしょうね。そのときが楽しみです。はしたない利益しかでませんが」 課長はキレていた。 「何がおかしい。今日は街頭でお前はティッシュ配りしてこい」 くろは課長にポケットティッシュが何千も入ったダンボール箱とともに、外へ半ば放りだされた。 「こんなん正社員の仕事じゃねえだろ。何か俺、気に障ることいったかな」 くろはしかたなくティッシュくばりをしていた
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