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…走って ……走って ………走って。 どのくらい走り続けたんだろう。 都会のギラギラしたビル。 今日は祭りかよってくらいの人。 全部追い越して 全部から逃げ出した。 気付けば静かな住宅地に入り込んでて 聞こえるのは 激しく脈打つ俺の心臓の音と ひっきりなしに吐き出される嗚咽混じりの俺の呼吸の音だけ。 『あ゛ーーー……もー無理』 こんだけ全力疾走したのは高校のスポーツテスト以来。 乱れる呼吸も 止まらない汗も ガクガクしだした足も 年を思い知らされる。 『………………ハぁー!!』 目の前に広がった公園のベンチに 思いっきり倒れ込んだ。 .
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