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狭い路地裏を何回も通った。 方向感覚がなくなるくらい何回も角を曲がった。 振り回されるように引きずられながら 休むことなく走らされる。 行き着いたのは行き止まり。 チェーンが何十にも巻かれた大きな扉。 痛いくらいに掴まれてた腕が急に離されて 黒い背中が重そうに扉を開ける。 「何突っ立ってんだよ!早く!」 「うぇ!?………ックシュ」 人がやっと通れるくらいの隙間に押し込まれて、ほこりが舞ってくしゃみが出た。 中は真っ暗くてほこり臭くて。 ダンボールやらラックやら 何かの倉庫みたいに思えた。 ガシャン! .
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