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「…なぜわかるんですか?」
見を乗り出して私を見つめてきました
正直驚きます…
「ですからこの《呪い屋》にきたのでしょう?」
クスクスと笑いながらお客様を見る
乗り出していた体をもとに戻しゆっくりとした口調で喋りだした
「はい…。私…前付き合っていた人がいるんです。その元彼の名前は城口弘(キグチヒロ)っていいます」
俯いて話すお客様
「あ、私まだ名前言ってませんでしたよね…。私は水嶋花那(ミズシマカナ)って言います」
水嶋…花那さん…不思議な名ですねぇ
「私は鎖駒と言います」
軽く頭を下げて挨拶をすると
水嶋さんも慌てて頭を下げました
水嶋さんは…おっちょこちょいでしょうか
「えっと…その元彼……嫌、城口さんが別れた事を恨んで嫌な事をしてくるんです」
水嶋さんの手が震え始めました…
よっぽど酷い事なんでしょうか…
ちょっと酷いですが…
「その嫌な事とは?」
掘ってみました
水嶋さんは手だけでなく体が震えてきました…
そして下を向いています
「思い出しただけでもこうなんです…、勝手に体が震えて……」
水嶋さんは大きく深呼吸をして体を落ち着け話し始めた
「…ストーカー行為や……盗撮、酷い時は何度も命を狙われました…」
少し涙声で話してくれた
水嶋サン
フフフ…もう少しでラクになれますから…
だだし条件つきですが…
「承知しました…。その城口さんを呪えばいいんですね」
水嶋さんはコクコクと頷いた
「では…この書類にサインを…」
私は紙とペンを水嶋さんに渡した
水嶋さんは書類の内容を読んでサインをした
「いいですか?この書類以外にも条件があります」
えっ?と言い足そうな顔でこちらを見てきた水嶋さん
「簡単ですよ…“この店、ここでの話し、この書類、私”の事を誰にも言わないってことです」
目をパチパチッとしてから
「簡単に言うとここの事を誰にも言わないって事ですか?」
私はコクンと頷いた
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