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コツッ
コツッ
と、城口サンに近づく
一歩近づくと、後退りする
来ないでくれ…
と、いいながら
あ、そうでした
なんできたのか
言ってませんでしたね
「フフフ…、水嶋さんを知っている。では貴方は水嶋に何をしましたか?」
近づくのをやめ
質問をした
上から見下ろすのは楽しい
恐怖にオビエタ眼がこちらを見て
いっそう私を楽しませる
なかなか答なかったので、しゃがんで顔を覗き込んだ
ヒィッ!!、と声を上げガクガクと体を震わせる
「答えてクダサイ」
爪の長い手で城口サンの頬を触る
汗ばんだ頬
クイッと頬に爪を立てる
早く答えろと言わんばかりに
「お、俺はたたた、だだ付き合っていいい、いただけだッ」
怖いせいか、上手に話せない
なにが怖いんでしょうか
水嶋さんはどれだけ怖がったと思っているんですか?
命を狙われ
夜中にストーカー行為をされ
女性は怖いですよ
そんなことされたら
「それだけですか?」
プツッと少し頬に爪を入れる
無表情で相手を見る
何を考えているのか読ませないために
ツツーッと鮮血が私の指をツタル
フフフ…、美しい
悪人の血は普通の人間よりも綺麗だ
「…何度も、殺そうとした。アイツが別れたいなんて言うからだ」
彼は恐怖に負け素直に話す
スッと爪を抜き、立ち上がる
血のついた爪を舐めながら、こう呟く
「罪犯し、困らせ、迷惑になり、邪魔だと思い…殺ス。全て自分の都合ですねェ」
フフフと笑い、彼を見る
彼はただ呆然と私を見ているだけ
今日は…どのようにやりましょうか
私に支配されし、城口弘
貴方はどうやって死にたい?
敬語を無くした私に
注意してください
自我を押さえられなくなりますからねェ
昼の私
と
夜の俺
夜は感情が押さえられない
・
俺は夜を好む
イキモノだから……
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