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俺が警戒している事を察した女は、両手を挙げて自分が無害である事をアピールする。
尻尾も充分危険だと思うが姿勢的な意味だろう。少しだけ警戒を解き、気を緩ませる。
「ありがとう、これで安心して話が出来る。
私は八雲藍(ヤクモ ラン)という。君の名前を聞いてもいいだろうか?」
「・・・・・・」
とりあえず危害を加えるつもりは本当に無いようだ。穏やかな感じがする。
この人は、大丈夫だと思う。
・・・人じゃないか。
しかし困ったな。
名前を聞かれているのだけど、俺には・・・
「名前は・・・無い。」
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