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「様々な流れや物質の脆い部分を『見切る』、おそらくそれが椎の能力よ。」
「・・・意味が分からない。」
「百聞は一見に如かず、まずはこの石を素手で砕いてみて。」
何処から取り出したのか、一つの小石を渡される。
砕けと言われてもな・・・
「これで、いいのか?」
「それは握力で強引に砕いているだけでしょう?脆そうな部分に力を入れてみて。」
「いや、握力で砕くのも充分に凄いと思いますけど?」
藍の言葉を無視して、再び渡された石を見る。
脆そうな部分、か。何となくだがここだと思う。その部分を、拳で軽く叩くと・・・
「なっ!?」
「やっぱり、ね。」
石は簡単に砕け、砂のようになっていた。
「これでもう椎は幻想郷に住むしかないわね。」
「・・・あぁ、追っ手が来ないならこの地に永住するのも悪くはないな。」
逃亡の果てに辿り着いた土地、幻想郷。これからどうなるのかは分からないが、なんとかなるだろう。
「ようこそ、幻想郷へ♪」
紫が楽しそうにそう言った。
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