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「以上引き継ぎ報告終わり!」
「了解。以後06小隊が任務を引き継ぐ。ご苦労」
黒髪黒眼、竜騎士に許された黒衣の制服を纏ったハルベルトが敬礼し、先に哨戒任務に就いていた緑色の一般制服を着た軍人が疲れた様子で兵舎へと帰って行った。
「パイロットチームの俺達がなんたって基地の哨戒任務につかなきゃならんのかねぇ。」
金髪で容姿端麗な赤衣の軍人がハルベルトに話しかける。
「君のせいだろう。ローズ。それとも掃除の方が良かったのか。」
紺色の軍服、眼鏡を掛け、紺色の髪のこれまた端正な青年が変わりに質問に答えた。
「まあまあ、トレーニングだと思えば。ただ立ってるだけなんだから。な、ハロルド。」
筋肉がトレードマークという銀髪の青年、フューズがなだめる。
彼の軍服は茶色、地竜騎士だ。
パイロットは階級のほか適性や戦果に応じた名誉称号を受ける。
竜騎士が黒衣、以下地竜騎士が茶色、飛竜騎士が青、火蜥蜴騎士が赤、蜥蜴騎士が紺色である。
竜騎士以上になると銅銀金と上がり白衣の聖竜騎士が最上位となる。
「指揮車を回せば一発じゃないか?ハロルド。」
「こんな任務に指揮車なんて出せるわけ無いだろう。」
ハロルドは冷静に切り返した。
「もともとお前が訓練中に事務を口説いてたのを大隊隊長に見つかったのが悪いのだろう。」
ハロルドはうっすらと不機嫌さを滲ませながら言う。
「…あぁ、哨戒任務は楽しいなぁ。」
ごまかすようにローズはそういった。
「なんか事件でも起きないかなぁ」
「不謹慎だぞフューズ。」
ハロルドが咎める。
「そうだぞフューズ、竜騎士様が哨戒任務についてる事こそ一大事じゃないか。」
刹那、ローズの頭部にハードカバーの本が直撃する。
主に角の部分が。
「いてーなぁ。悪かったって言ってるだろ。」
ハロルドが手でローズの言葉を遮る。
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