第一章『漆黒と純白の少女達』

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バッと目を覚ます。 「ここは・・・・?」 独特な消毒臭に真っ白な部屋。 この雰囲気は覚えがある。 「病院・・・なのか?」 自分が何故ここにいるのかを考える。 そしてふと思い出す。 「俺は確か車に刎ねられて、そうだ!車道に出た子供を引き倒した後で俺自身が・・・」 しかし、だとしたら。 「何で俺、無傷なんだ?」 そう、今の俺には傷らしい傷も無いし痛みもない。 ガチャ 思案していると、看護師のお姉さんと医者のおっちゃんが入ってきた。 「どうやら目が覚めたようだね、気分はどうかな?」 「悪くはないです。」 「何があったか覚えているかな?」 「一応は。」 その後も色々聞かれたし、後からやって来た警察の人にも事情聴取された。 「つ、疲れた・・・・・・」 軽く三時間は人が途絶えなくて、めっちゃ疲れた。 そして来た人来た人が口々に言う共通点。 「何で生きてるの?」 だった。 どうやら俺はかなり酷い刎ねられ方をしたらしい。 実際に、俺が挽かれた時に頭をぶつけたガードレールには、血痕がベッタリと着いているらしいし。 「なのに無傷?」 俺は結局1日で退院出来てしまった。
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