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「あー。……誰だろ」
掛け直せよ、と慎治に促され、歩は渋々ベッドを抜けてリビングへと向かった。
短い話し声がリビングから聞こえ、携帯を折り畳む音と共に歩が戻ってきた。
「兄貴だった」
「……なんて?」
「心配してたからダイジョブだよ、っつっといた。慎治さんに俺を……歩をよろしくって」
「……は?」
「今度機会あれば挨拶に行きたいって」
「マジかよ……とんだ小姑付きだなお前……」
それでもあの野田が、歩を認め、理解しようとしたその言葉で、全ての事が報われたと思った。鼻の奥が痛くなるのを、鼻を小さく啜って誤魔化したら、ベッドに戻ってきた歩が優しく、そっと、慎治の鼻先にキスをした。
「慎治さん……愛してる」
ハタチの歩から、ませた言葉が落とされる。聞き慣れなくて擽ったいような気持ちになるこの言葉に、心も身体も馴染む幸福な日々も、じきに来るのだろう。
――歩と俺と、二人を取り巻く全てのものに幸いを。
祈りながら、愛しい半身にキスをした。
おわり
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