主よ、人の望みの喜びよ

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「あー。……誰だろ」   掛け直せよ、と慎治に促され、歩は渋々ベッドを抜けてリビングへと向かった。  短い話し声がリビングから聞こえ、携帯を折り畳む音と共に歩が戻ってきた。 「兄貴だった」 「……なんて?」 「心配してたからダイジョブだよ、っつっといた。慎治さんに俺を……歩をよろしくって」 「……は?」 「今度機会あれば挨拶に行きたいって」 「マジかよ……とんだ小姑付きだなお前……」  それでもあの野田が、歩を認め、理解しようとしたその言葉で、全ての事が報われたと思った。鼻の奥が痛くなるのを、鼻を小さく啜って誤魔化したら、ベッドに戻ってきた歩が優しく、そっと、慎治の鼻先にキスをした。 「慎治さん……愛してる」  ハタチの歩から、ませた言葉が落とされる。聞き慣れなくて擽ったいような気持ちになるこの言葉に、心も身体も馴染む幸福な日々も、じきに来るのだろう。  ――歩と俺と、二人を取り巻く全てのものに幸いを。  祈りながら、愛しい半身にキスをした。 おわり 最後までお付き合いありがとうございました! ブログではその他多数BL小説公開してます。 『ほんわかBL的。』 検索エンジンよりトップで出ます。 よろしければぜひお越し下さい(*´∀`)

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