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「……」
少女は勘違いして怒鳴ったことを謝ろうと思うが、何も言えず無言になってしまう。携帯を持つ手が汗でぬるぬるしてきた。
ディスプレイには通話時間が刻まれ、早くも5分が過ぎている。
切ろうかな…
罪悪感に苛まれつつ、そう思っていると、向こうから息を吸う音が聞こえた。
『毎週毎週、妙な電話をかけてすいませんでした。最初は、自分を知らない誰かと話したかったから…適当な番号を押して…』
受話器の向こうの人は低音の綺麗な声で続けた。
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