初会話① ~少女編~

7/14
前へ
/637ページ
次へ
「……」 少女は勘違いして怒鳴ったことを謝ろうと思うが、何も言えず無言になってしまう。携帯を持つ手が汗でぬるぬるしてきた。 ディスプレイには通話時間が刻まれ、早くも5分が過ぎている。 切ろうかな… 罪悪感に苛まれつつ、そう思っていると、向こうから息を吸う音が聞こえた。 『毎週毎週、妙な電話をかけてすいませんでした。最初は、自分を知らない誰かと話したかったから…適当な番号を押して…』 受話器の向こうの人は低音の綺麗な声で続けた。
/637ページ

最初のコメントを投稿しよう!

947人が本棚に入れています
本棚に追加