大阪独立

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  西暦2011(平成23)年9月28日。 この日もまた、いつもと同じ様な、ただただ平凡な1日が過ぎ去ろうとしていた。 大阪府庁舎内に設けられた会見場で知事の定例記者会見を待つテレビ局や新聞社の記者たちも、野党議員のゴシップやアジア諸国との外交問題等、雑談に花を咲かせていた。 午後4時。大阪府知事橋上透が会見場に姿を表した。 橋上透は3年前の府知事選で府民の圧倒的な支持を得て第52代大阪府知事に就任。強引とも取れる思い切った改革に、教育委員会や府議会の古参議員等をはじめとする様々な人々から反発を買いつつも、ある程度の成功をおさめてきている。 知事が席に座る。中央省庁に対する批判等、自由奔放な発言でいつも番組や紙面を賑わせる知事が今日は何を言うのか、と記者達も雑談を止め、知事の言葉に耳を傾け始める。 だが、知事から発せられた言葉は場の誰もが全く考えていなかった、想像を遙かに越えるものであった。
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