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「じゃあ、一番最初にわたしに聴かせてよ。うまくなってからでいいからさ。誰かに聴かせる時は、まずわたしに聴かせて」 「いいよ、いつになるかわからないけど」  と僕は答える。 「ねえ、曲も自分で作るの?」 「作りたいとは思ってるよ」 「それじゃあ作ってよ。わたしに聴かせる時に」  と彼女は言う。 「まあ、作ってみるよ」  と僕は笑いながら言う。 「約束よ。それから、わたし結構辛口なこと言っちゃうかも」 「本当に?」 「冗談よ。ひどくても、うまいって言ってあげるわ」  と言って彼女は笑う。  それからバスが来る。
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