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僕は彼女がバス停に来るのを待っていた。
高校生のころ、僕は毎朝バスで学校に通っていた。バス停は小さな歯医者の駐車場の前にあって、看板には渡辺歯科前と書いてあった。時刻表は剥げかかっていて、いつバスが来るか時刻表を見てみても、いまいちよく分からなかった。
僕はいつもヘッドフォンを着けて音楽を聴きながら、この歯医者が潰れたらバス停の名前も変えなきゃ行けないんだろうか、とかそんなどうでもいい事を考えたりしながら、バスが来るのを待っていた。
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