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七月の終わり。来週にはもう夏休みという、とても暑くて、よく蝉が鳴いていたある朝。
彼女が久しぶりにバス停に来た。
僕はなんだか色っぽいな、と彼女を見て思った。特になにか変わったところがあったわけじゃないけど、なぜだかそう思った。
「おはよう」
と彼女が言う。
「おはよう」
と僕も答える。
まだバスが来るまでは、少し時間がある。
本当に蝉がよく鳴いていた。
やっと土の中からでてきて、空高く飛び回り、鳴きまくり、そしてすぐに死んでしまう。一瞬にして。
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