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「っんなの無理に決まってるじゃないですか!ぐっさん!」
「まぁ、翔くん落ち着いて。他に方法はないんだし。」
「そうだよ。翔。社長の部屋に来て紅茶を楽しまないなんてバカだよ。」
「バカはどっちだ!俺たちの人生がかかってんだぞ!」
机の上に両手を叩きつけながら、怒り爆発中なのは翔くん。
ぐっさんと呼ばれた机の向こう側にいるオジサンは、どうやら社長のようだ。
だって、デスクに「president」ってプレートが置いてあるからね。
そして一触即発の雰囲気のデスク周りとは
全く違う空気を放っているのが、白いソファに優雅に座っている薫くん。
ぐっさんは嬉しそうに話し始めた。
「やっぱりわかる?薫くん。今回のブレンドは・・・」
「聞いてるんですか!ぐっさん!」
「president」の机に座ってるからには、きっと社長のはずのぐっさん。
社長のトレードマーク、ビール腹もたっぷり前に突き出ている。
やっぱり社長のはずだ。
なのに、どう見たって二十歳そこそこの翔くんに
デスクを叩かれて、しょぼんとしている。
「俺たちのマネージャーが変わったら、困るって事はぐっさんが一番分かってるはずだろ!」
「いやまぁ・・・。
でもこうなってしまったら、しょうがないんだよ。」
「そんなに怒らなくたっていいじゃん。落ち着きなよ、翔。」
「薫!お前の問題でもあるんだぞ!わかってんのかよ!」
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