焼いたCD

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焼いたCD

私が中学生だった頃の話。学校帰りに私の名前を呼ぶ声がした。   振り返ってみると、それはクラスの男子だった。   「これ・・・後で聞いてください」   差し出された手を見ると、当時はまだめずらしかったCDーRが握られている。   私が受け取ると、彼は逃げるように去って行った。     家に帰った私は兄のPCを黙って借り、CDRを再生した。それは愛に関しての歌達だった。   ミスチルやラルクやグレイのラブソング。聞いているだけで胸がドキドキとしてくる。   そしてその最後には――――彼の告白が入っていたのだった。   「あなたの事が好きです。もしOKなら電話してください」   緊張しているのだろうか、声がわずかに震えている。     その時私の胸に何かが産まれ、それは電撃へと成長して私の全身を貫いた。   はじけるようにして自分の部屋に戻り、電話帳を探しだす。     それを持って、電話へと走った。受話器を持つ手がかすかに震えている。   私も緊張しているのだ。軽く深呼吸して気持ちを落ち着ける。 そして勇気を出して番号をプッシュ。コール音が鳴る。     プルルという音が永遠の時のように思える。早く出て、早く出てよ・・・。     ガチャリ。やっと相手が出た。私は最後の勇気を振り絞って言った。     「もしもし?JASRACですか?違法コピーしてる奴がいるんですけど」
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