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信じられない…
今、俺がいる場所は
なんか座り心地のいい
ソファーの上で、目の前には朱雀サンが笑っていた
「明日は学校休みでよかったね」
『毎日休みでもいいのに…』
「学校は嫌い?」
『嫌いってか、なんの為に行くのかがよくわからない』
「成る程ね」
『高校くらい卒業してないと体裁が悪いとか言われて仕方なく行ってるだけ』
「凛は将来やりたい事はないの?」
『考えた事もない』
「じゃ、このまま何となく卒業して何となく就職して何となく人生を送るんだ…つまらないね」
朱雀サン…
今のはちょっときいたかも
『何となく…』
「そうだよ…時間は止まらないし戻せないから…後から後悔しない人生にしないとね」
『朱雀サンは後悔してない?』
「ん~、昔は後悔したかな」
『昔?』
「好きで獣医になった訳じゃないし」
『そうなの?』
「まぁ…ね」
う~ん
これ以上は聞かない方がいいみたいなオーラだな
「でも今は獣医になってよかったと思ってるよ」
『そっか』
「動物が好きだからと言う理由だけでは獣医にはなれないしね」
『そうなの?』
「うん…獣医になる為に犠牲になった動物達もいるから」
『犠牲…』
「まぁ、好きなだけでは無理って事…その犠牲になった動物達の為にも、一匹でも多くのペットを助けたい」
ん~
確かに解剖とかあるみたいだしな…
俺、蛙の解剖の時、学校休んで一人でやらされた時、泣きそうだったし
やっぱり動物の解剖とか
なんだろうな…
確かに好きなだけじゃ無理かも
「何だか暗い話になっちゃったね…とにかく、凛は後悔しないように」
『うん…考えてみるよ』
「あっ、シャワー浴びるよね?お風呂は突き当たりだよ、ちょっと待ってて」
部屋から出ていって
バスタオルとパジャマを持ってきてくれた
「パジャマはまだ袖を通してないから大丈夫だよ」
いや…
通してくれてた方が…
なんて言えねぇ~!
『じゃ、行ってきます』
「ゆっくりどうぞ」
『はい』
朱雀サンの人生も
いろいろあったのかな
これからの人生の中に
俺の入る場所はないよね…
はぁ…
自分で落ち込むような事考えて自爆した…
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