引越しをするらしい

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ベットに入り、天井を見つめながら言った 『普通の部屋でよかったのに…』 「空いてなかったんだ」 『そうなんだ~…………なんて言うと思う?』 「クスッ」 『もう…』 朱雀の腕に包まれて眠るるのは、久しぶり 『仕事…どうしようかな…』 「戻らないの?」 『う~ん…迷惑かけちゃったし』 「花崎には話してあるよ…私のせいで凜が居なくなったとね」 『えっ…』 「イルカが言う事をきくのは凜だけだから、いつまでも待ってるって」 『でもな…』 「きっと花崎よりイルカ達の方が、凜を待ってるんじゃないのかな」 『朱雀…』 ピーチとノアールに約束した… 必ずまた会いに行くって そして、いつまでも待ってると2頭は言ってくれた 『グスッ…明日、水族館に行って来る』 「わかった」 『朝早いからもう寝るね、おやすみ』 「えっ…」 『あっ、忘れ物』 「ん?」 (チュッ♪) 照れながらキスをする 『おやすみっ!』 「おやすみ、凜」 朱雀は不満そうだけど、 怪我が治るまではね これからはずっと一緒に居られるんだし、 たくさんいろんな事だって出来るよね 早く会いたいな… イルカ達に……… 「そんなに気遣わなくてもいいのに…」 腕の中の凜を抱きしめる やっとつかまえた 長かった… でも、南月はいつから 知っていたんだろう 屋台で凜を見た時、 本当にその場で泣きそうだった だけど、泣いても凜が 戻らない事はわかっていたから必死だったんだ 熱い鍋の中だって、 凜の心の痛みに比べればたいした事はない だけど、あんなに心配されるとは思わなかった やはり凜は離れていても、水晶玉のように透き通った心は変わらない だけど、透き通ってはいても、簡単にヒビは入る だからこれからは、 俺がその心のヒビを 一つずつ治していくよ 「愛してるよ」 凜の寝顔を見つめながら、髪にキスをした やはり痛み止めが必要だな… 安心したら今になって 痛みが伝わってきた
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