初めての…

3/6
10732人が本棚に入れています
本棚に追加
/730ページ
「はぁ~極楽」 おっさん臭い言葉をつい … 毎日朱雀サンはこのお風呂に入ってるのか… 毎日 ここに 入る……ブハッ! 鼻血出そう かなりヤバイよ おかしい 俺は確か、合コン大好き、女の子大好きな健全な高校生だったはず なのに、今は… 同性の、しかも年上の人の裸を想像して悶々としている俺って… 何でだろう 朱雀サンを見ていると 同性でもいけるくね? なんて思ってしまう だけど… フラれたんだよな俺… 猫になったら愛してくれる? 猫になったら抱きしめてくれる? 「凛、大丈夫?」 あっ… 『はい、今出ます』 「いや、大丈夫ならいいよ」 『大丈夫です』 「そう、なら安心」 優しくしないでよ… 朱雀サンにとって俺は 何なんだろう 弟? 患畜を連れてきた人? 友達? ペット?な訳ないよな お風呂を出て、リビングに戻る 『ありがとうございました』 「のぼせてるのかと思ったよ」 『あはは…』 「冷蔵庫から好きなもの飲んでね、じゃ私も入ってくるから」 『ビールでもいい?』 「未成年でしょ?」 『ちぇ…』 「内緒だよ」 『やったぁ!』 「クスッ」 冷蔵庫からビールを取り出して一気に飲んだ やべっ… 最近飲んでなかったから 酔いがまわるのが早い 「お待たせ」 『ニャン』 「凛?」 『ニャンニャン』 「酔ってる…」 『朱雀サン~、俺猫になる~』 「えっ?」 『だから可愛がって~』 「凛…」 『抱きしめて…』 「飲み過ぎだよ」 『愛してよ…猫になるから…愛して…』 「お水を持ってくるから」 『ニャー』 「凛、大丈夫?」 「クスッ…酔っ払いのノラネコは初めてだな」 抱き上げて、そっとベットに寝かせた 「おやすみ、猫ちゃん」 明かりを落とし、ドアを閉めた 凛の一途さに 負けそうだよ
/730ページ

最初のコメントを投稿しよう!