先生の名前は…

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「では、早急に手術を行います」 『お願いします』 先生はカルテを手に持ち、質問をした 「えっと…名前は、ギズモちゃんでいいのかな?」 うっ… なんて名前をつけてしまったんだ… せめて…せめてステッチにすればよかった 「麻生さん?」 『あっ、はい』 「ギズモちゃん…と、 何月生まれ?」 『へっ?えっと…ん~』 知る訳がナイ… 「大きさからいくと、 生後3ヶ月くらいかな」 『多分』 「性別は?」 『猫だと』 「クスッ…ちょっとごめんね…うん、女の子だね」 『ぐはっ!』 「ん?」 『い、いえ』 メスなのにギズモ… ごめん、見掛けだけで 名前をつけて 「首輪はないね」 『はい』 「じゃ、早速オペを始めるけど、君は待ってる?」 『えっと…』 優しい瞳で見つめられた さようなら…合コン 『待ってます!』 「わかりました、では あちらで待っていて下さいね」 『はい…あの…』 「はい」 『よろしくお願いしますっ!』 「心配しなくてもいいよ」 そう言って笑う先生の瞳にフォーリンラブ… ん? まてまて! 恋に落ちてどうする! なんかおかしいだろ? 「麻生さん?」 『あっ、待ってます』 「はい」 診察室を出て 待ち合い室の椅子に 腰掛けた はぁ… なんでこうなっちゃったんだろ…
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