10735人が本棚に入れています
本棚に追加
ホテル住まいはやっぱり
慣れない
全然、生活感がないし
慣れないベットだから
なかなか眠れない
そんな俺の為に、
いつも朱雀は眠るまで
話に付き合ってくれる
『あのね、おでんの具にアサは里芋とか、手羽先とか入れるんだ』
「里芋?」
『うん、すごくおいしいよ』
「今度入れてみようか」
『それでね、柚がキッチンにあってね…何に使うのかと思ったら、おでんの上に乗せる為にたくさんあったんだ』
「確かに乗ってたね」
『うん…美味しかったでしょ?』
「そうだね」
『毎日、食べてたけど
全然飽きなかった』
「そっか…」
『朱雀は余り食べてなかったでしょ…』
「ん?」
『ごまかしてもダメ…
見ればすぐわかるよ』
「今はちゃんと食べてるよ」
『朱雀は太りにくいんだから、もっと食べなきゃダメ』
「それは凜もだろ」
公園で抱きしめられた時、すぐにわかったんだ
朱雀の体はすごく痩せていた
俺はちゃんと食べてたのに、朱雀は……
『………もう』
朱雀の胸に顔を埋めた
「凜…心配してくれているの?」
『当たり前だろ……』
「ありがとう」
『朱雀が、病気とか怪我なら看病出来るけど…
死んだら何も出来ないだろ……てか、俺より先に死ぬなよな』
ヤバい
なんか、すごく感情的になってきた
「大丈夫だよ…凜を悲しませるような事はしないから」
『うんっ…朱雀が死んだら俺も死ぬからな!』
「それは困ったな…
じゃ、今から不老不死の薬を開発しなくちゃね」
『もう…』
「そんな事ばかり考えないの!」
『ごめん…』
「じゃ、考えられないようにしてあげる」
『朱雀…』
指で体のラインをなぞりながら手が止まる
「どうして欲しい?」
『聞かないでよ…』
「クスッ」
ベットに潜り込み、
そっと舌が触れる
『んっ…』
朱雀の口の中の体温が伝わる
見えないから余計に感じて、思わずシーツをにぎりしめた
頭の中は真っ白で
何も考えられないくらいの快感をくれた
最初のコメントを投稿しよう!