引越しをするらしい

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『う~ん…』 なかなか戻って来ない 可愛い凜ちゃんが誘拐されたらどうするの? 「よっ!」 『ヒッ!』 突然、声をかけられて 焦る 「失礼な奴だな…」 『ん?な~んだ、南月かぁ』 「お前…かなり失礼な奴だな…」 『ん?浮気してんの? 雪ちゃんに言っちゃうよ』 南月と一緒にいる若い青年を見つめながら言った 「アホ!従兄弟だよ、 今年から就職で今部屋を探してる所だ」 『ふ~ん…大変だね』 「朱雀は?」 『てか、俺達も二人の 新居を探し中…イヤン』 「引っ越すのか?」 『うん…朱雀がその方がいいって』 「成る程ね」 そして、漸く朱雀が戻って……てか、貴方…手に持ってる書類はなんですか? 「凜、契約してきたよ」 『ぶっ!ちょっと?』 「不動産がすぐそこで助かったよ」 『あの…』 「すぐに入居出来るらしい」 『いや…』 「今から家具を見に行こう」 『てか…』 「何だ、南月いたのか?」 やっと南月に気付いたらしい 「凜にしてもお前にしても失礼な奴だな…で、 新居はどこだ」 「教えない」 「お前……しばくぞ」 「はぁ…そこだよ」 何故、溜息? 「そこ?」 「あの10階の右端」 「お前……思い切った事を…流石と言うかアホと言うか…あのマンションて、政治家とか社長しか入居出来ないはずだったような…てか、アホみたいに高いよな?」 「そうでもなかったよ」 「お前にとってはな… あっ、じゃ前のマンションは売却するのか?」 「病院の寮にでもしようかな」 なんかもう… ただ、会話を聞くのが 精一杯で… 俺はいつから政治家の 奥さんになったんだろうとか、 朱雀の「そうでもない」の金額は幾らなんだろうとか、 考えるだけ無駄なような気がしてきて… 「んじゃさ、俺に売らない?」 またへんな金持ちがここにも… 「マンション?」 「ああ、雪矢の学校も あそこからなら近いし」 「今のマンションは?」 「こいつに」 成る程… 南月はもう探すのが面倒臭くなってきたんだな 「別に構わないけど、凜…どうする?」 『えっ?俺は朱雀がいいなら構わないよ』 「わかった…じゃ2倍の友人価格で売るよ」 「ふざけるな!」 ま、まぁ… よくわからないけど、 これでホテル暮らしから解放されるんだ
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