10735人が本棚に入れています
本棚に追加
『う~ん…』
なかなか戻って来ない
可愛い凜ちゃんが誘拐されたらどうするの?
「よっ!」
『ヒッ!』
突然、声をかけられて
焦る
「失礼な奴だな…」
『ん?な~んだ、南月かぁ』
「お前…かなり失礼な奴だな…」
『ん?浮気してんの?
雪ちゃんに言っちゃうよ』
南月と一緒にいる若い青年を見つめながら言った
「アホ!従兄弟だよ、
今年から就職で今部屋を探してる所だ」
『ふ~ん…大変だね』
「朱雀は?」
『てか、俺達も二人の
新居を探し中…イヤン』
「引っ越すのか?」
『うん…朱雀がその方がいいって』
「成る程ね」
そして、漸く朱雀が戻って……てか、貴方…手に持ってる書類はなんですか?
「凜、契約してきたよ」
『ぶっ!ちょっと?』
「不動産がすぐそこで助かったよ」
『あの…』
「すぐに入居出来るらしい」
『いや…』
「今から家具を見に行こう」
『てか…』
「何だ、南月いたのか?」
やっと南月に気付いたらしい
「凜にしてもお前にしても失礼な奴だな…で、
新居はどこだ」
「教えない」
「お前……しばくぞ」
「はぁ…そこだよ」
何故、溜息?
「そこ?」
「あの10階の右端」
「お前……思い切った事を…流石と言うかアホと言うか…あのマンションて、政治家とか社長しか入居出来ないはずだったような…てか、アホみたいに高いよな?」
「そうでもなかったよ」
「お前にとってはな…
あっ、じゃ前のマンションは売却するのか?」
「病院の寮にでもしようかな」
なんかもう…
ただ、会話を聞くのが
精一杯で…
俺はいつから政治家の
奥さんになったんだろうとか、
朱雀の「そうでもない」の金額は幾らなんだろうとか、
考えるだけ無駄なような気がしてきて…
「んじゃさ、俺に売らない?」
またへんな金持ちがここにも…
「マンション?」
「ああ、雪矢の学校も
あそこからなら近いし」
「今のマンションは?」
「こいつに」
成る程…
南月はもう探すのが面倒臭くなってきたんだな
「別に構わないけど、凜…どうする?」
『えっ?俺は朱雀がいいなら構わないよ』
「わかった…じゃ2倍の友人価格で売るよ」
「ふざけるな!」
ま、まぁ…
よくわからないけど、
これでホテル暮らしから解放されるんだ
最初のコメントを投稿しよう!