ハネムーンへ行こう!

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意外と近かった熱海…… ちょっとびっくり 『海は島の方が綺麗だね』 「そうだね」 朱雀に纏わり付くように腕を組み、砂浜を歩く 「危ないよ」 『………………』 「凜、どうした?」 『何だか久しぶり…… 朱雀と一緒に歩くのは』 「凜」 『水族館に居た頃は、 いつもこうして歩いて 朱雀はいつも危ないって言ってくれたよね』 「これからもだよ」 『うん』 「凜が転んだら大変だからね」 『優しいね』 「凜限定だけど」 『あはっ』 何だか、すごく愛されてるんだなって感じた もし、俺に彼女が居たとしても、そこまで気を使うなんて出来ないな ウザイ!とか言ってしまいそう…… 「ん?」 『纏わり付かれるのは嫌?』 「まさか…大歓迎だよ」 『よかった……ん?なんだろ』 なんか銅像がある 『んん?何このSMチックな銅像……』 男の人にすがりつく感じで女の人が倒れてるような…… 「金色夜叉だね」 『なんそれ?』 「凜は、もし私が普通の人間で目の前にお金持ちが現れたらどうする?」 『へ?』 「質素でも愛を選ぶか、それとも自分を輝かせるダイヤを選ぶか」 『な~んだ…そんなの 選ぶまでもないしね』 「ん?」 『俺は質素でも愛を選ぶよ……当たり前でしょ?もしお金がないなら悲観せずに働けばいい…… お金なんかたくさんはいらないでしょ?仕事で疲れても愛する人が傍に居てくれればいつも笑っていられるよ』 「そうだね……確かに凜の言う通りだよ」 『それが何か関係あるの?』 「この像は貫一お宮と言ってね、ダイヤに目が眩んだお宮と別れたのがこの海岸なんだよ」 『お宮がフラれたの?』 「ああ」 『嫌いになったの?』 「いや……愛していたからこそ許せなかったんだろうね……」 『なんか悲しい……』 「だけど、それでお互いに本当の愛を見つける事が出来たのかも知れないし」 『俺は、目の前にダイヤの山を差し出されても 朱雀を選ぶよ……だって、物じゃ抱きしめてくれないし愛もない……物が与えてくれるのはその時だけの快楽でしかないもの』 「凜……やはり私は凜を愛して正解だったよ」 『ん?』 そういって朱雀は抱きしめてくれた なんか……銅像の二人に睨まれてるような……
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