芽生えた思い

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『桜春祭』 暖かな春の陽射しに誘われて芽吹いて出てくる桜の花を神々と一緒に祝い楽しむお祭り 様々なお店を開き巫女達が舞を踊り、祝い酒を飲み楽しむ人々はこの春一番のお祭りに騒いでいる 女人達は絹の衣に金糸で鮮やかな刺繍を施してある衣を纏いキャーキャーと騒ぎながら露店を歩き回る 男人は豪快に酒を飲み、宴会を開き賑わっている 其をただ、ぼんやりと眺めている神がいた 今年も大して変わらぬ 「この退屈な日常を変えてくれる人は居ないものか…」 ぽつりと言った 長い年月を生きる神にとって平凡な日々に退屈を感じていた この何百年神々は人間を見守り、争いの無い日常を守ってきた 争いが好きな訳ではない ただ、この日常に厭きていただけだった なんのへんてつもないこの日常に色を添えてくれる誰かを探していたのだろう 、
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