第1話 「誰の仕業?」

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「すみませーん!」 表から切羽詰った声が聞こえました。 お客さんです。 私は魔法道具を取り扱った店を経営しています。おばあちゃんの形見といってもいいでしょう。 おばあちゃんはこの店を私に残してくれたのです。さらに多額の借金も残してくれましたが、それは余計でしたよー、地獄のおばあちゃん。 おばあちゃんは高名な魔女であり生粋のギャンブラーでした。 一日で一年分の稼ぎを得たときは歓声をあげたものです。 一日で一生分の借金を背負ったときは怒声をあげたものです。 その借金が全部私に降り注いだときは悲鳴をあげたものですよー、地獄に落ちろおばあちゃん。亡くなってもなお亡くなればいいのです。 「助けてください!」お客さんが叫びました。 はて? どういうことでしょう?
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