133人が本棚に入れています
本棚に追加
「すみませーん!」
表から切羽詰った声が聞こえました。
お客さんです。
私は魔法道具を取り扱った店を経営しています。おばあちゃんの形見といってもいいでしょう。
おばあちゃんはこの店を私に残してくれたのです。さらに多額の借金も残してくれましたが、それは余計でしたよー、地獄のおばあちゃん。
おばあちゃんは高名な魔女であり生粋のギャンブラーでした。
一日で一年分の稼ぎを得たときは歓声をあげたものです。
一日で一生分の借金を背負ったときは怒声をあげたものです。
その借金が全部私に降り注いだときは悲鳴をあげたものですよー、地獄に落ちろおばあちゃん。亡くなってもなお亡くなればいいのです。
「助けてください!」お客さんが叫びました。
はて? どういうことでしょう?
最初のコメントを投稿しよう!