第1話 「誰の仕業?」

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足早に店に向かいます。 所狭しと商品が陳列している売り場は一見すると足の踏み場が無いように見えますが、本当にありません。 そのせいでしょう。広い空間にもかかわらず、狭い印象を受けます。 整理整頓は嫌いな四字熟語。家事一般できません。 神は私に美貌しか与えませんでした。これ以上望むのは不徳と致すところですし。 魔法の杖や水晶玉等を置く古めかしい木製の棚が、売り場を迷路のように仕切っているため、中々お客さんのところまで辿り着きません。 やっとのことでお客さんまで辿り着くと、また「助けてください」と叫ばれました。 はて? 自慢ではないのですが、私は人様を助けられるような器ではございません。助けてもらう側ですよ、私は。それはもう胸を張って言えます。えっへん。
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