第1話 「誰の仕業?」

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口にするのもはばかれる、まだ成熟しきっていない「あれ」が付いていたのです。 三つ編みだったら女の子だと思うじゃないですか! 「男の子なのに三つ編みを?」疑問ぶつけました。 「いや、それは……私がやったわけではありません」 「ということはこの子が? 自分で?」 ご婦人は首を傾げました。私も傾げます。 痙攣に三つ編み……。 はて? どこかで聞いたことがある事象です。 平屋にしては高い天井の片隅にあるシミを凝視しながら思い出すのに努めます。 思い出しそうで出せないモヤモヤ感を楽しむ猶予はありませんでした。 次第に苛ついてきます。 ギリギリの所まで来ているのですが出てきません。 まさか表面張力が脳にも働くとは思いませんよ。 それでも頭の中で犯人を模索していると、犯人と思われる、ぼんやりとした陰影が浮かんできました。あと少しです。 あっ──分りました、犯人特定しました。 なに簡単なことだよ君。 頭脳明晰にしてこの美貌、完璧パーフェクト人間ですね、私は。 一分の隙も無い。
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