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大好きな本に囲まれ、嬉しさで、息がつまりそうな朝之は大きく深呼吸した。
と、そんな時。
「やっぱり、あさえちゃんッテ、本フェチ?」
と軽口を叩くのは、織本ゆうきだった。
「あれれ?やっぱり、名字のユキナちゃん。で呼べばよかった?」
とゆうきは続ける。
朝之は、またか…。とため息をついた。
『友喜名朝之』という名字と名前。
『朝之』を『のりゆき』と読んでくれない。
誰かをバカにして、自分をまもろうとするやつたちは、『あさえ』と呼びたがる。
それに『友喜名』という、え?人の名前?女の子?とも思える名字は、『ユキナちゃん💕』などと、格好の餌食になるからだった。
そんな思いから、ため息な朝之。
それをみたゆうきはあわてて言う。
「ごごごッ…。ごめんッ!私さ、そんなに気にしてるとは思わなくて…。ホントに。ホントに挨拶のつもりだったんだ!…ごめん。…ねッ?」
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