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「あさえッー…。ユキナちゃーん…ッ。ユキナッ!!おぃッ!ユキッ!!」
と、ゆうきの現実に引き戻す声がする。
『はッ!』と気付く、朝之。
「ねぇ?もしかして、ユキ。また、本のコト考えてた?いつか本の世界に入りこんで、抜け出せなくなるかもよ?」
ゆうきは冗談をいう。
まさか、ゆうきとの出会いを思い出していた。
と、朝之は素直に言えるわけでもなく。
「ぁぁ、それなら、ウェーブ=レーの作品がいいなぁ。」
と、初めて出会った時のきっかけになった作者の名前を出すのが精一杯だった。
「ふんふん。じゃあ、月夜の街ガドの世界がオススメだょッ。」
と続ける、ゆうき。
何気無い会話だけれど、朝之は、この高校に入学した後悔なんてのは吹き飛んだ。
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