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この高校に入学するきっかけも。。
まだ、セミが五月蝿く、木々も力強く若々しい青をまとっていた塾の夏期講習の時だった。
「ユキ!ここの高校、制服が可愛いから、一緒にいこぉーぜぃッ!」
と、「桜乃第二高等学校。」のパンフレットを見せながら興奮する、ゆうき。
「ぇっ?いや、さくに(桜乃第二高等学校の略)ッテ女子高じゃん。ゆうきは一応女の子だから、入学出来るけど僕は…ぶはッ‼」
僕は…ぶはッ‼
???
説明しよう、朝之は、ゆうきにぶたれたのだ。
朝之は入学出来ない理由を明快かつ、短くまとめて話そうとしたのに。。
朝之をぶってまで、話をとめるゆうき。
「ちょっとッ!ココをよぉーく見てくださいな。コ・コをッ。」
自信満々に、パンフレットをさす、ゆうきの爪の先には。
『男子受け入れ開始。男女共学。』
の文字。
視線をゆうきに戻す。
「あ、僕も入学出来る。」
「ね?ユキも可愛い制服着れるねッ。」
(いや、さすがに女子の服は着れないだろー…)
ゆうきにぶたれるのが恐くて朝之は、心の中で小さく呟いた。
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