手を繋いで歩く二人

思いと想い

結局、努力も駄目。整形も駄目となった私は、もう成す術なく毎日通への想いを膨らませながら過ごしていった。

そんな無駄な日々を過ごし、伝える事が出来ない気持ちを着々と育てていると。
気付けば一年の月日が過ぎていた。

嗚呼…なんて短く変化の少ない一年間。
私は結局、何も変われず高校二年目を迎える事になった。
しかし、この進級おめでとうな時期に私の人生観をぶち壊す出会いが訪れたのだ！

そいつとの出会いは、桜がやたらと舞う通学路だったかな？
私がいつもと全く同じ通学路を、今日から通と違うクラスになるやも知れない不安な気持ちで押し潰されそうになりながら歩いていると、一人の無駄に可愛い女が私に話しかけててきたんだよな。

「貴女いつも目つき悪いけど、ストレスでも貯まってんの？」

うん。ぶん殴ってやろうかって思ったね。
いやマジで。しかし、残念な事にそれはできなかった。
何故かって？答えは簡単。この女、仲川 明美(なかがわ あけみ)は、ただ純粋に私の事を心配していたからである。

その出会いから数日もしない内に、明美は私の数少ない大事な友達になったわけだ。
ちなみに、通とはまた同じクラスになれた事はこの件には関係ない。