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    人間が溢れかえる世界に居て、理子は自分が人間じゃないってこと…凄く凄く嫌だったんだ。 でも外見は変わらないし、不完全じゃないから生きる時間帯も人間と一緒。 だから言わなきゃバレない。 ――吸血鬼のイノチは心臓を貫かれるまで永遠だから…理子は、この世界の歴史を沢山見てきたよ。 何十年も何百年も前から。 だけどね、今までいっぱい生きてきたけど、理子が愛する人はたった一人なんだよ。 大好きだった。 この人と永遠を築こうと思った。 ――高村さんは、理子のこと、人間だと思ってたけど。 ――今思えば、隠してたら幸せになれてたかも知れないよね。 ――だけど、理子、バカだから。 「好き」 そう伝えた時、高村さんはぎゅって抱き締めてくれた。 何も言わずに。 ――高村さんの何が好きだったの?って聞かれたら… 理子のいい所も悪い所も全部包みこんでくれるような大きい優しさが一番好きだった。 理子の想いが溢れる時、一番近くにいて、いつも何も言わずに居てくれたのが高村さんだったから…。 いっぱいいっぱい愛し合ったよ。 理子のこと、たまにしか好きって言ってくれた事ないけど、理子はそんな事気にしなかった。しばらく付き合った理子達は、そのうち同棲するようになった。 幸せな日々だったよ。 ――高村さん。 あの時、理子と一緒に、いつまでも生きていきたいって言ってくれたよね? 「――え?」 理子は持ち上げかけたお椀の手を止めた。 聞き捨てならないような、耳を疑っちゃうような言葉が…高村さんの口から飛び出したような気がして。
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