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アランへ
ありがとう、と ごめんなさいが半々です。
アランに出会えて、過去を忘れることが出来たし、世界が輝いて見えたの。
まだ、大好きです。
忘れられないことが、いっぱい…いっぱいある。
あたしは忘れてしまうだろうけど、あたしがアランを好きだったこと──忘れないで欲しいな。
…責めるつもりはないけれど、あたしを守るためだと言って、理子を殺めてしまったことも、ちゃんと覚えておいて欲しい。
だって
理子はあたしの友達だから。
知ってた?
あたし、アランのクリーニング出して、届けに行ったら…ちゃんと言おうと思ってたんだよ。
「アランと一緒にいたい」
って。
あの時あたしは、アランを愛し過ぎてて──アランの傍にいたくて、吸血鬼になるつもりでいたの。
たとえ不完全でも。
夜にしか生きれない、人間じゃなくなるにしても。
あたし、アランの匂い好きだったよ。
あたしを眠くさせるのも、そうじゃなくて香水の匂いも。
嫌いじゃないよ。
大好きだよ。
嫌いになんか、なれるわけがなくて。
伝えたいことが何かなんて解らないけど、今こうしてペンを握っていても何を書いてるのかさえ解らないけど、ただ、アランに手紙を残しておきたかったの。
また会えたら
瑞希って呼んでね
振り向いたあたしは
あなたを知らないかもだけど
ごめんなさい。
ありがとう。
大好き。
────────瑞希
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