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教室に着くと、見慣れた茶髪イケメン野郎が声をかけてきた。
「オッス、秋夜。昨日は緊張して眠れなかったんじゃないか?」
「ああ、少し寝不足だ」
「まぁ、初出演が生放送だし当たり前か。俺は早くテレビに映るお前を見てみたいけどな」
「おい、恭輔。あまり大きな声を出すなよ。バレたらお前の恥ずかしい過去を言いふらすからな」
「頼むからやめてくれよ」
この話の流れからわかるように、茶髪イケメン野郎こと―堺恭輔(さかいきょうすけ)は、俺がアイドルになったことを知っている。
小、中、高ずっと同じ学校、同じクラスあったことから、自然に仲良くなった。
特に隠す理由もないので恭輔にスカウトされた時のことを話すと、大爆笑された。
それ以来俺がアイドルだということを誰にも言わないことにした。
まぁ、言ったとしても誰も信じないと思うけど……
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