始まり

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「え~と、本当に怪我とかはしていないんで大丈夫ですよ!」 とりあえず言ってみたが、無反応である。ずっと見ている理由はわからないが、もう用事は無いだろうから立ち去ろうとした。 ガシッ 「何ですか?本当に怪我とかはしていないんで大丈夫ですよ」 いきなり腕を掴まれたので驚いたが、とりあえず理由を聞いてみた。 「ねぇ…君!アイドルに興味ある?」 「……はぁ??」 何言ってんのこの人。アイドル?アイドルって言えば歌ったり、踊ったりするカッコいい人たちのことだよなぁ。興味あるか無いかと聞かれたら……無い。 「ありません!……では、さようなら」 面倒な事になる前に逃げ出したかったが、まだ腕を離してはいなかったので、逃げさせてはくれなかった。 「ごめんねいきなり。僕はこういうものなんだ」 と言って名刺を渡してきた。この歳で名刺を貰うことになるとは……え~と何々……X芸能プロダクション?……服部彰……芸能プロダクション!!ってことはスカウトされてるのか!!俺をスカウトするって……大丈夫かよこの人。
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