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プルルルル……
「はい、もしもし。片瀬ですけど」
「あ~母さん。秋夜だけど」
「遅い!!」
「えっ!?」
「あんた買い物に何時間かかってんのよ」
そういえば、買い物頼まれてたんだ。いや、今はそれどころじゃない。
「そんなことよりも、大変なんだ!!」
「うるさい。それで何が大変なの?」
「芸能界にス…スカウトされたんだ!!」
「………」
えっ!?黙らないで何か言ってください。
「母さん?」
「代わりなさい」
「……誰に?」
「あんたをスカウトした方が近くに居るんでしょ?」
何でそんなに冷静なのかわからなかったが、とりあえず「母が話したいそうです」と言って、電話を服部さんに渡した。
「御電話代わりました、私はX芸能プロダクションの服部と申しますが………」
俺は会話が聞こえない所まで離れた。
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