5th step : care

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  「──し、だからここが公式を当てはめるとこうなる」 カッと筆圧の強い数学教師が、チョークで黒板を叩いた。 その音で、隣で居眠りしていた男子がびくりとする。 ああ、やっぱ授業になんないなぁ……。 あたしは心の中でため息をついて黒板を見た。 なんとなく、数字が書いてあることはわかる。 書いてあることは、わかる。 早く、新しいメガネ、買わないと。 「じゃあここ……平塚」 ってかまずはこの頭痛をどうにかしないと。 「平塚?おーい平塚」 やば、ぐらってきた。 「平塚」  
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