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「投げたらすぐに抑え込む。
そんなのはみんな習ってるしそんなのはわかってる。
じゃあ実際に投げたら即抑え込むことはできんのか?
奥襟から袈裟固位しかないだろ?」
「言われてみれば……」
「確かに」
奈々と誠は征吾の意見に納得してしまう。
「だろ?
しかも、投げたらすぐに抑え込めてもほとんどが隙だらけなんだ。
でも、投げられた奴も隙だらけだから寝技が決まるんだよ。
確かに上になればなるほど隙はなくなるけど、それでも隙はあるんだ。
潰れた時が特にな」
「確かにの」
誠は自身の経験と重ねて征吾の意見に納得している。
「でもなんでそうなるん?」
運転している奈々も気になるようだ。
「簡単だよ。
練習では監督から言われるものの、その実、抑え込み方や返し方を習ってなければ、その練習もあんまりしてないからだよ」
「あっ、そう言われてみればそうやの」
ようやく奈々も納得する。
「それは中高大に上がっても環境は一緒だよ。
強豪校や寝技をやるトコですら寝技がうまい位でそこまで変わんないんだ。
中にはできる奴もいるけどな」
征吾は寝際をやる人間の少なさを語っていく。
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