宣戦布告

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「あ~あ、まさかホントに歴史に名を刻むとはなぁ」 試合会場からの帰り道、車を運転する奈々の隣で征吾は感慨深げに今日の感想を言った。 「ホンマやな。 2ヶ月前1回戦負けやったのに、それが県大会で優勝やもんな。 2位、3位にまでなったし。 誰も予想できんかったやろうな」 奈々が正直な試合の感想を言った。 「まあこれで一気に注目されるんちゃう? ただでさえノボリが教えよるのに、短期間で結果を残したんやからの。 みんなそこそこ勝ったし、祥平もベスト8やし。 これからは追いかける側から追いかけられる側やな」 誠は今後を予想し、征吾に嬉しそうに言った。 「チキショー!」 「どうしたんや?」 突然、征吾が悔しそうに声を出したので、奈々と誠が心配する。 「俺なんか柔道を始めて5年かかって県大会3位だぞ。 優勝なんか6年半だぜ? この差はなんなんだよ」 征吾は自分の教え子に嫉妬している。 「そうや! 俺なんか8年かかって優勝やぞ。 個人での全国は10年かかっとる」 征吾に言われて気付いた誠も悔しがる。 「征吾と先輩は子供相手に何をイジケとん」 奈々は本気で悔しそうにする征吾と誠に呆れている。 、
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