235人が本棚に入れています
本棚に追加
「うるさい!
始めた頃から強かった奈々に俺の、俺達の気持ちがわかってたまるか!」
「そうや!
俺らは毎回負けて屈辱を味わってきたんやぞ!
努力しても中々勝てん悔しさがわかるか?」
(わ、わからん……)
自分の弱さを熱く語り出す征吾と誠に奈々はヒイているが、それを口にするともっと面倒なので抑えている。
「でも、2ヶ月で強くしたんは征吾やん。
征吾がおらんかったら絶対にここまでうまくいかんかったよ」
奈々はようやく落ち着きを取り戻したのを見計らって征吾を褒めた。
「確かにの。
柔道において大事な基本や気持ちを小学生相手にあそこまで覚えさすとはの」
誠も征吾の指導力を改めて認めた。
「それは小学生だからとか関係ないよ。
子供だと思って扱うから逆におかしいんだ。
アイツらは俺らが思っている以上に子供じゃないよ。
だから厳しくする所は厳しくした。
それに子供だからこそ、口酸っぱく言ってやることはやっていかないと後々に苦労する。
そして抜く時は抜いて遊ぶ。
そこは俺らが思っている以上に子供だからね。
まあ、あそこまでうまくいくとは思わなかったけどな」
征吾は自分のやり方を振り返って話している。
、
最初のコメントを投稿しよう!