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「で、“際”を教えた訳か?」
誠は1番気になっていたことを言った。
「そう。奇襲技を教えない代わりに勝てるポイントを教えた。
先制攻撃するには組み際が1番早いし、主導権を握りやすい。
でも掛け逃げだけはさせたくないから、打ち込み、投げ込みをこれでもかって位やらせて組んですぐに技をしぶとく入るようにしたし、
先に組むようにも説明した」
「みんな絶対に先に組んで仕掛けていったんやの」
子供達は全ての試合で技を返さようが必ず技を掛けて先手を取っていった。
判定時の審判の印象をよくする意味も含まれていたのだ。
「で、寝技も勝てるポイントね。
さっきも言ったけど寝技はやんない奴がいるから、知ってて損はない。
投げられても一本取られない限り寝技で取れる。
小学生以下なら尚更だよ。
やんない奴との試合はマジ楽勝」
「まあ」
「確かに……」
征吾の話は、寝技の弱かった奈々と誠には耳の痛い話で苦笑している。
「で寝技も抑え方を教えて、決まり際に1番集中させた。
攻めてる方はいかに上半身を決めるか、
逆に攻められている方はいかに上半身の決めを外すかをね。
これが必殺技。
これで十分寝技になるから入り方はあんまやってない」
征吾は苦笑する。
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