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「寝際は立技から寝技への曖昧な部分だから意識の切替にどうしても時間がかかる。
その間に腕一本でも取れたら寝技が有利に運べるぜ。
寝際をマスター、つまり体で覚えたら、寝技の基礎さえあれば寝技で勝てる」
「なんでそんなに重要なことやのになんでやらんしできんのやろ?」
奈々は征吾に寝際の素晴らしさを聞いてさらに疑問が浮かぶ。
「それは立技と寝技を分けて教えるし立技主体が多いからだよ。
それにその重要さはわかっていてもいろいろと練習しにくいんだ」
「確かにウチら寝技は月に1回か2回位やったわ。
それは中学や高校に行っても同じなん?」
中学から柔道をやっていない奈々には疑問だらけだった。
「いや、俺が寝技が得意になったのは中学からだぜ?
さすがにほぼ毎日練習をやる中学以上になると毎日やる所はやるよ」
「それでもできんのや」
寝技が強い学校は毎日寝技の練習を取り入れているが寝際まで教えないのだ。
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