○3 速報

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「え~私ファンだったのに~。」 「誰だ、りゅうってのぁ?」 「覚醒剤なんてなぁ。せっかく有名人になれたのにバカな奴だ。」 このニュースに皆それぞれ感想を述べる中で、佐山が小さい声で震えながら言った。 「皆さん…このニュース、知らなかったんですよね…?」 同僚の1人がこれに答えた。 「当たり前だろ?今速報で流れてんだからよ?」 その通りだ。 メディアにでさえたった今入った情報…先に仕入れるなんてできっこない。 ましてや、8、9時間前になんて、まだ逮捕もされていないはずだ。 佐山は自分の身の周りで起こっている事が理解できず、ただただ立ち尽くしていた。
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