242人が本棚に入れています
本棚に追加
同僚は何事もなかったかのように仕事に戻っている。
しかし佐山はまだ頭の中で巡りめく考えを整理できずにいた。
(まさか…未来新聞…未来…いやでも…)
1日中考え事をしていたため全く仕事ははかどらなかった。
整理すべき資料の1点をじっと見つめていた佐山は、働け、使えない、と彼を罵る編集長の声も右から左。
終いにはクビにするぞ、とまで言われてしまったが全く聞こえていなかった。
気づけばあっという間に夕方の6時。
「そろそろ帰らなきゃ…。」
編集長がトイレに入るのを確認すると、まだ仕事を続けている同僚を横目に小走りで外に出て、急いで駅に向かった。
佐山には1つ確かめなければならないことがあった。
最初のコメントを投稿しよう!