未来新聞

○４ ナイター

しかし、それでも考えている事はRYU逮捕の速報をテレビで見たときから１歩も進展していないのだ。

これからこの『まさか』を確信へと変える。

佐山は覚悟を決め、自宅のドアを開けた。

心臓が高鳴っているのがわかる。

部屋に入ってまずゴミ箱に目線を送った。

くしゃくしゃになった新聞。

やはり夢じゃなかった。

新聞をゴミ箱から取りだし、しわを伸ばしながらテレビのスイッチを入れた。

「投手は………くろ…だ………。」

血の気が引いていくのがわかった。

９回ウラ、巨人の攻撃。

守る広島の投手は黒田。

黒田が継投で出てきたということは考えにくい。

おそらく先発だったであろう。

未来新聞と一致する。

しかし佐山はある事に気付いた。